ハイコンテントスクリーニング用小型半導体レーザー
ハイコンテントアナリシス(HCA)、及びハイコンテントスクリーニング(HCS)
ハイコンテントアナリシス(HCA)とハイコンテントスクリーニング(HCS)は、現代の細胞生物学の分野だけでなく、創薬や医薬品研究の分野でも急速に成長している技術です。自動化された高解像度顕微鏡と分析ソフトウェアを組み合わせて、細胞内の表現型反応を可視化し、定量化することで、HCSは、低分子薬剤、抗体、またはRNAi実験などの化合物が細胞の形態にどのように影響を与えるかを、高速、定量、ハイスループットで判定し、細胞活性の意味のある機能的読み出しを提供します。
サンプル調製
ほとんどのHCSの実験は、細胞ベースのアッセイを使用しますが、時には組織スライスや全胚が使用されることがあります。細胞は通常、マルチウェルプレート上で培養され、各ウェル内の細胞は異なった処理が行われます。例えば、細胞生存率や他のパラメータへの影響を研究するために、異なる薬剤を各ウェルに追加されたりします。サンプルに対する処理の効果を可視化するために、細胞内の観察したい構造(例えば、核、細胞質、細胞膜など)を異なる蛍光色素で染色したり、蛍光タンパク質でタグ付けされたタンパク質を発現する細胞株を使用したりします。
イメージングシステム
HCSシステムは基本的に完全自動化された顕微鏡です。自動ステージがマルチウェルプレートを(あらかじめ定義されたプロトコルに従って)位置から位置へと移動させ、各位置で同じイメージング手順を実行します。ダイクロイックミラーとフィルターは自動的に切り替わり、サンプルは1つ以上の励起波長で照射され、画像はCCDカメラで記録されます。オプションで明視野像も記録されます。レーザーベースのオートフォーカスシステムとソフトウェアベースのオートフォーカス手順を組み合わせることで、イメージング中に試料に常にピントが合っていることを保証します。HCSシステムは、広視野構成でも、特定の実験では光学切片や3Dイメージングが必要とされるため、共焦点構成でもご利用いただけます。共焦点HCSシステムは通常、高速画像取得を確実にするためにスピニングディスク技術を採用しています。蛍光励起のために、システムには水銀またはキセノン光源、または共焦点HCSシステムで頻繁に使用されるレーザーが搭載されています。パルスレーザーを使用すると、FLIM HCS実験の可能性も広がります。オプションとして、HCSシステムは、サンプル調製からHCSシステムにマルチウェルプレートを輸送するためのローディングロボット、各プレートを識別するためのバーコードリーダー、およびプレートから液体を追加または除去するためのリキッドハンドリングシステムを備えていることが多いです。さらに、HCSシステムは、タイムラプス実験のために細胞を生きた状態に保つために、温度、湿度、CO2を制御するインキュベーションチャンバーを装備されている場合がございます。
画像分析
画像取得後、事前に定義されたプロトコルに従って、画像が自動的に解析されます。画像解析の間、セグメンテーションアルゴリズムが各画像内の個々の細胞を検出します。検出された各細胞について、実行される実験に応じた様々なパラメータが分析されます。例えば、細胞(またはその小器官)内の蛍光マーカーの強度や空間分布、様々な細胞構造の面積、その他の幾何学的パラメータが定量化されます。
トプティカ社の半導体レーザー iBeam smart は、375nmから1060nmまでの個々の波長のレーザで、色素や蛍光タンパク質の励起波長をUVからIRまでカバーし、マルチカラーイメージングを実現するコントローラ内蔵のワンボックスレーザです。 iBeam smartは究極の出力安定性と低ノイズを実現しており、長期間にわたる高い信頼性と再現性ある結果が得られます。iBeam smartは、CWモードとパルスモードでの操作が可能で、高速直接変調機能により、異なる励起波長の高速切り替えが可能です。最高出力は高い取得速度を保証し、共焦点HCSシステムにおいても高いスループットを提供します。さらに、フットプリントが小さいため、HCSシステムへの組み込みが容易です。高い信頼性、低メンテナンス性、長寿命により、24時間365日の稼働が必要なハイコンテント スクリーニングシステムには最適なレーザーです。